「今日は何時に帰れるんだろう」——毎朝、家を出る時点でそれがわからないまま1日が始まる。そんな生活を約8年続けてきました。飲食チェーンで複数店舗を管理する仕事をしていると、当たり前だと思っていたことが、実は当たり前じゃないと気づいたのは最近のことです。
「拘束時間」と「勤務時間」は別物だった
典型的な1日はこんな感じでした。7:30に家を出て、9:30に1店舗目に出勤。13:00に移動して16:00に2店舗目、18:00にまた移動して20:00に3店舗目、21:30に退勤して帰宅は22:00。家を出てから帰るまでは約14時間ですが、勤務扱いになるのはそのうちの7時間ほど。店舗間の移動時間は労働時間に入りません。しかも帰宅後には、3店舗分のシフト作成や報告書の作成が待っていて、これも当然、勤務時間外の作業です。
渦中にいるときは「こういうものだ」としか思えませんでしたが、こうして数字に書き出してみると、拘束と勤務のギャップに自分でも驚きます。
数字で見ると、感覚は間違っていなかった
厚生労働省の「令和6年 雇用動向調査」によると、宿泊業・飲食サービス業の離職率は25.1%で、全業種平均の14.2%と比べて約1.8倍。パートタイム労働者に限ると離職率は29.9%にのぼります。帝国データバンクの2026年4月の調査でも、飲食業の人手不足を感じている企業は非正社員だけで59.1%という結果でした。
「自分の職場だけがきついのかもしれない」と思っていた時期もありましたが、データを見て、業界全体の構造的な問題なんだと少し腑に落ちました。自分が甘えているわけでも、要領が悪いわけでもなかったんだと。
それでも辞めるまで時間がかかった理由
人手が足りない現場ほど、「自分が抜けたら回らない」という感覚が強くなります。私自身、アルバイトスタッフのシフトが埋まらない限り自分が休めず、1ヶ月以上先の予定すら決められない状態が続いていました。社員が1人辞めて業務量が約1.5倍になったとき、上司へ「もう限界が近いので業務の分担をしてほしい」と泣きながらお願いしました。その時は多くの改善案を提案してくれましたが、翌日には提案内容で進めることは難しと言われ、その後の2週間も一切ヘルプはなっかたので、体力的にも精神的にも限界がきて、結果的に休職という形になりました。
まとめ
今、休職しながら転職活動をしています。「甘えているのでは」という気持ちが完全になくなったわけではありません。それでも、拘束時間と勤務時間のギャップを冷静に書き出したり、業界全体のデータを見たりすることで、「自分がおかしいわけじゃない」と少しずつ思えるようになってきました。今つらさの中にいる方にも、まずは自分の1日を数字で書き出してみることをおすすめしたいです。答えが出るとは限りませんが、状況を客観視する最初の一歩にはなると思います。
